概要

近年は意味が拡大し、特定の職業で採用されている制服や特定の着衣を好む者が、その衣装を真似て作った服もしくは本物を着て、自らの意志でそのキャラクターになりきることもコスプレと呼ぶことがある。しかし、狭義のコスプレに限るべしとの意見もある。

「架空の人物に扮する」という行為は、活字でのSFファンが多勢を占めていた当時において特異な存在であり、ともすれば異端と見做され「SFファン」とは一線を画す、少数の限られた嗜好であった。しかし、SFに対して何かしら一見識がないと参加し辛く、ハードルの高かったSFのコミュニティーで、単に「参加してみたかっただけ」というライトなSF層も「仮装」という見た目がわかりやすい形での参加が可能になり、それまで「覗き見」だけだった者らも取り込んでいくことになる。

日本のメディアではアニメ雑誌等が同人誌即売会に関連してコスプレを少しずつ取り上げ始めたが、特に大きく取り扱ったのは、ラポート発行の『ファンロード』1980年8月号(創刊号)で、同誌は、当時原宿を席巻していたタケノコ族を捩り、原宿にコスプレ集団「トミノコ族」が現われたとする「特集記事」を掲載した。「トミノコ」は『機動戦士ガンダム』の富野由悠季監督に由来するもので、記事には『機動戦士ガンダム』の登場人物やモビルスーツ・ガンダムの仮装をした人々が踊っている写真が掲載された。実際には、当時そのような風俗は存在せず、これは報道記事の体裁を採った映画宣伝企画だった。

イベントについても、それまではコミックマーケットを始めとする同人誌即売会や、ワンダーフェスティバル、日本SF大会等において付随的に行われていた状態から、コスプレ単独のイベントも開催されるようになった。 形式としては、コスプレをしてダンスミュージックやアニメソングに合わせて踊る「コスプレダンスパーティーや、コスプレイヤー同士が互いに交流や撮影を行ったり、アマチュアカメラマン(カメラ小僧)に撮影の場を提供する撮影会などがある。

コスプレとインターネット

コスプレとインターネットを語る上では、やはりいわゆるコスプレイヤーの情報発信の質量を頭に入れて考えることが重要である。コスプレイヤーのインターネットによる情報発信が、今日の世界的なコスプレに関するネットワークを築いたといっても過言ではない。またコスプレを通じて広がる異文化のコミュニケーションも、大きな功績と言える。国と国の繋がりをコスプレを通じてどんどん深いものにしていくのである。このようなコスプレに関する情報を始め、インターネットには様々な情報が溢れている。例えば、Alteredbookartists.Comのような情報サイトから、きちんと正確な情報を得ることは今日では何よりも重要と言えるのではないか。


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